2009年04月28日
H邸- 自然を感じる住宅 -
建築データ |
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用途:専用住宅 構造:RC(鉄筋コンクリート)造 階数:1階 延床面積:122.94㎡(37.19坪) |
建築地は大自然に恵まれた環境で目の前には蒼く広がる海と、どこまでも続く青空、そして背面には豊かな緑の木々へとつながっています。
その自然の流れを閉ざす事無く、住宅としての主張をしつつ自然にとけ込む様なデザインで、しかも、目にとび込んでくるダイナミックな風景を建物内部にまで取り入れたいというそんな思いを込めて設計を進めていきました。
生活する上での目線の位置を念頭におき、窓の設置やベランダの手スリの高さや素材にいたるまで、視界に入るもの全てに配慮しました。
そして、建物の内外共「白」を基調にした飽きのこないシンプルなデザインをベースに、随所にポイントとなる色彩や型状を与え、自然光や照明による陰影による演出をして、メリハリとボリューム感を持たせました。
また同じ白でも少しトーンを変えたり異種素材を使ったりして質感に変化を持たせ、空間の広がりと余裕を感じられる様にもしました。
また、建物内のどこにいても風と光を感じる事ができる空間構成とし、目だけではなく体全体で外部との一体感を満喫できる都会的センスを兼ね備えた田舎っぽい住宅を表現しました。
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窓
アルミサッシにはスチール製面格子や花台をデザインして設けました。施主の服部さん自身がデザイン、作製されたお皿がポイントです。
スリット
テラス部分のスリットです。少し大きめのスリットの中にスチールのフラットバーで格子をデザインしました。内部でありながら外の気配を感じるようにしました。
テラス
とにかく開放感あふれるテラスで、かなり気持ちよく癒されます。
バルコニー
写真では分かりにくいのですが、部屋から外の景色を見たときに邪魔にならない様に手摺を下げ、できるだけシンプルなデザインにしました。
玄関ホール
造り付けの下足入は鏡面ホワイト仕上げで、下部(足元)に照明を取り付けました。
飾り棚
玄関横の明かり取りの窓と飾り棚です。棚はガラス製にして明るくスッキリとさせました。ちょっとしたデッドスペースを利用しました。
服部さん御夫妻の写真と作品のご紹介
超高層ビルが林立する東京に住み続け、老後は自然に囲まれ、土に触れる、そんな生活を送る夢を持っていました。定年後ついに沖縄に嫁いだ娘夫妻がこの地を見つけてくれました。
土地購入後、隣にあるカフェへ行ったところ、入口に「冨田浩嗣建築研究所」の看板を目にし、地滑り地域のこの地に既にご自宅を建てており、そのノウハウのあることが設計を依頼する選択の鍵となりました。
朝日が昇る美しい海、緑いっぱいの丘、そしてニライカナイ橋の大きなカーブなどこの景色を最大限に活かす設計を願い、冨田設計士との長い取り組みが始まりました。家の完成まで一年。理想に近い家の形ができ、住みはじめて数ヶ月。冨田設計士の願いでもある"これからが住む人の満足いく姿に育てていくように"という課題が私たちに課せられました。家は造るだけに終わらず、造り出すことが重要という観点にたち、心新たに一歩を踏み出しました。
毎朝日の出とともに神の島「久高島」を望み、午後には南西の陽に輝く珊瑚礁のエメラルド色の海、とまさに一日の疲れがとれる癒しの時をもてることに感謝です。
これらの写真は全て服部さん御夫妻による手作りの作品です